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成形での留意点<マニアック編> (2011年12月1日)

プラスチック成形での留意点<マニアック編>をご紹介します。①熱分解・・・シリンダ温度が高すぎる場合に発生します。材料が溶けすぎて物性低下することを意味します。分解するとガスが発生し、気泡、シルバー、表面の曇り等の現象が起きます。粘土(分子量)が低下し重量が重い等のバラツキを生じます。色が変色したり、脆弱にもなります。シリンダ温度以外では樹脂の滞留によっても長時間的に熱分解は起きるので、リズム良いサイクルが重要です。
②加水分解・・・PC、PBT、PET等のエステル結合を有するものは、吸水した状態で成形すると加水分解を起こします。分子量が低下すると機械強度(引っ張り、衝撃、クリープ、疲労)が低下します。これらの挙動は熱分解と同じです。対策はしっかり予備乾燥することに限ります。③再生材の使用・・・プラスチックの利点は粉砕材を再利用できる点ですが、基本的に再生比率は25%以下でないと物性値が低下します。ただし、POMとPPEは再生多くとも物性は低下しません。PCは極端に再生入れると物性が著しく低下します。以上の3点はちょっと分かり難い留意点なのでご紹介しておきます。見た目で分からない病気を診断し処方箋を出すのが成形メーカーのオペレーターの役目です。